木枠の内窓

ガラス窓から熱が逃げる率は60パーセント以上?。アルミのサッシも伝導率がよく熱が
逃げやすいそうです。これから冬に向かい内窓の省エネ、快適効果はよく言われています。
既存のサッシはそのまま使い、二重サッシに交換など大掛かりな工事をしなくて済むので
検討されている方も多いのではないでしょうか。

旭ガラスなどメーカーからプラスチック枠の内窓が販売されていて、取り付けも比較的簡単で
自分でも出来そうですが、費用がそれなりにかかることと、プラスチックの色、質感が好みではありません。

木枠の内窓を作ろうとして、まず迷ったのは枠の材料を何にするかです。インターネットで
探してみたのですが製作例が無く、商品のカタログから高級品はひのき、安価なものは
ラワンや針葉樹までいろいろあるようです。また今回のケースは既存のサッシの木枠に直接
取り付けるので、引き違い戸の厚みは2枚で木枠の幅70ミリ以下に押さえなければなりません。

素人考えで、内窓ですから雨に濡れるわけではないので、よじれ、ねじれなど少ない
材料であればいいだろうと考え手持ちの(廃業した大工さんの仕事場からいただいたもの)
22ミリ厚の化粧材で作ることにしました。材質は不明ですが結構重量感があるものです。
横に6ミリ幅の溝が掘られていたので据付家具の枠か何かに使われるものでしょうか。


縦枠の幅は40ミリ、横枠は60ミリで、トリマーで幅3ミリ、深さ5ミリのガラス溝を掘りました。
枠はほぞを組み、木工接着剤とネジで組み立てました。
透明ガラスは3ミリ厚で近所のガラス屋さんでカットしてもらいました

レールはもともとのアルミサッシの木枠に溝を掘り、深さ、幅とも9ミリのVレールを埋め込んでいます。
v戸車は33mm径です。戸車の厚みは約18mmで、3/8インチのスパイラルビットで取り付け穴をあけ、
のみで微調整しました。木枠の厚みが少ないので、のみだけでやったら横部分がたぶん割れてしまったと
思います。

上の画像で縦枠の材料にははじめから溝が掘られていましたが、
ここに隙間風を防ぐ効果もかねてゴムクッションでもと考えています。

窓の上側の構造は本格的に木で鴨居にするか迷いましたが、結局アンバー色の
アルミアングル(12*12ミリ)を3本使用して簡単に済ませてしまいました。これでも
強度、滑りに問題は無いようです。


木枠の塗装はせず、あえて生地のままです。窓の印象がすっかり変わり、明るくかつ落ち着いた
感じになりました。また防音効果もあり今度の冬は快適さが向上するのではないかと期待しています。

*本当はガラスが割れた場合の交換を考え、ガラス押さえが取り外せる構造にするのですが、
木枠の厚みが22ミリしかなく(普通は30ミリ以上でしょうか)、これを削って薄くした場合は
強度上不安なので、ガラスをはめ込んで組み立ててしまいました。
万一ガラスが割れたら新しい木枠にします・・・

2002年10月