なるほど納得!?

自作サイクロン・ダスト・セパレーターの評価


 サイクロンのドラム改造前の測定は下図の構成で行いました。



サイクロンのインレットでの最大静圧は1.07KPa、差圧(動圧)は0.10Kpaで風速は13m/sでした。したがって速度圧Pv

@速度圧Pv=(13÷4.04)2×9.8=101Pa

A風量Q=13×0.05×0.05×3.14×60=6.1m3/min (≒220CFM)

でした。この時の配管は上図のように長さ計約6m(ハイブリッド角管 1.8m+アルミ蛇腹ダクト100φ 1.7m+100φフレキシホース 2.5m)で

B90×90、ベニヤとブリキのハイブリッド角管は100φ相当、その係数0.03として、この圧損係数ζ1

ζ1=0.03×(ダクトの長さm×ダクトのダクトの直径)
  =0.03×(1.8÷0.1)
  =
0.54

C100φアルミ蛇腹ダクトは直線で係数0.8、曲がりを考慮して0.12とすると損失係数ζ2

ζ2=0.12×(1.7÷0.1)=2.04

D100φホースは係数を0.04として圧損係数ζ3

ζ3=0.04×(2.5÷0.1)=
1.00

E吸込み口は切り替え器があり、テーパー付と同等と考えると圧損係数ζ4

ζ4=
0.49

F吐出口は切りっ放しなので圧損係数ζ5

ζ5=1.00

G角-丸変換、継手等の圧損係数ζ6

ζ6=0.10

H
最後にサイクロンの圧損係数をζ7とします。(サイクロン内部でも圧損は風速の二乗に比例すると考えられる



この時のブロアの
静圧Psはこれらの圧力損失の合計に入り口の速度圧を加えたものです。

IPs=(ζ1+ζ2+・・・・・・+ζ6+ζ7)×Pv+Pv
  =(0.47+2.04+1.00+0.49+1.00+0.10+ζ7)×101+101
  =623+(ζ7×101
          
↑サイクロンの圧力損失
   
使用しているブロアは、現在は製造終了になっている昭和電機(株)製のEM-100Tという出力0.4KWのものです。



特性曲線が無いのですが、同じシロッコ型の現行機種EM-100T7(0.75KW)と特性は類似していて、上図の緑の曲線上のオレンジ色の点、6m3/min程度の風量で1.4KPaの最大静圧になるだろうと推定しました(60Hz運転時)。



風量6.1m3/minの時の静圧は1.4KPa=1400Pa、これが実際の配管から逆算した静圧Psと等しいはずですから


  Ps=623+(ζ7×101)=1400Pa


書き換えると、この風量での自作サイクロンの圧力損失Pc

  Pcζ7×101=1400-623=777Pa

 各サイズからサイクロンの圧損を算出する計算式は何種類もあるようです。そのうちの2種類の計算結果と比較すると約20%程度圧力損失が少ないようですが、測定精度の影響と、ハイブリッド管、ホース、蛇腹管等の損失を大きめに予想した為かもしれません。

さらにサイクロンの圧損係数ζ7
を逆算すると

  ζ7=777÷101=7.69

となりました。

このサイクロンシステムで風量を300CFM=8.1m3/min確保するためには、その時の風速は17.2(m/s)、速度圧は178Paですから自作サイクロンの損失Pcは

  Pc=7.69×178=1369Pa

静圧は

  Ps=(0.54+2.04+1.00+0.49+1.00+0.10+7.69)×178+178
    =2289+178
    =2467Pa

と約2.5KPaの静圧が必要で、多分1HPのブロアでは無理、1.5HP以上が必要であろう、ということがわかります。


 精度は?と思いますが、実際に検証してみるとなかなか興味深いものがあります。

2004 April


自作サイクロン・インレット改造効果の検証

 インレットを改造し、ナチュラルベーン、エアランプを追加しましたが、その効果を検証します。改造後の測定は、下図のように90×90ハイブリッドダクト1.8mのみ接続して行いました。


 測定結果はサイクロンのインレットで

   風速 13m/s ->15.5m/s
   風量 6.1m3/min->7.3m3/min

 と増加しています。速度圧Pv

   Pv=(15.5÷4.04)×9.8=144Pa

 とこちらも、改造前の101Paから増加しています。
 
 アルミ蛇腹管、フレキシブルホースが無くなって当然その分の
 圧力損失が 減少していますが、
 風速が増えた理由はそれだけでしょうか?


この場合、ハイブリッドダクト圧損係数ζ1

  ζ1=0.03×(1.8÷0.1)=0.54

吸込口、吐出口は切りっぱなしでそれぞれ圧損係数ζ2、ζ3

  ζ2ζ31.00

サイクロンの圧損係数をζ4、吸込速度圧=Pvですから、この状態のブロアの必要静圧Ps

  Ps=(ζ1+ζ2+ζ3+ζ4)×Pv+Pv
    =(0.54+1.00+1.00+ζ4)×144+144
    =510+ζ4×144
          ↑サイクロンの圧力損失


ブロアEM-100Tの推定性能曲線より、この状態、風量7.3m3/minでは少し減少して静圧Ps=1.30KPa=1300Pa

したがって

  Ps=1300=510+ζ4×144

サイクロンの圧力損失Pcは

  Pc=ζ4×144=1300−510=790Pa

あれ、サイクロンの圧力損失は改造前のPc=777Paより増えているではないか?! 

いいえ、改造前の風速は13m/sでした。圧損は風速の二乗に比例しますが、改造後は風速は15.5m/sに増えています。

サイクロンの圧損係数ζ4

  ζ4=790÷144=5.49

改造前と比較すると、圧損係数 7.69−>5.49

インレット改造前の状態では、この15.5m/sの風速でサイクロンの損失は

  Pc=7.69×144=1107Pa

になります。おおよそで、サイクロンの圧力損失は約20%減少しており、 改善されたと考えられます。

努力は報われる? しかしデータと測定結果が無いと、何がどうなったのかさっぱり分からないですね・・・

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