フードを見くびらないで! 

 ごく簡単にフードの形状と特徴に触れます。下図で右から左に向かう流れで集塵するものとします。青い矢印の長さは便宜的に風速を表します。

(A)の切りっ放しでは、周辺から廻り込む流れがあり、損失が生じます。
(B)〜(D)のフランジ、フード、ボックスをつけることで、廻り込みが防止され、損失が少なくなります。また周囲を囲う事で流れを集める事が出来、また室内の気流の影響も少なくなって集塵効率を高める事が出来ます。よく切りっ放しのホースの先端を工具に向けているのを見かけますが、最も集塵効率が悪い見本です。卓上丸鋸でも小さな集塵ポートだけでは周囲に飛び散るダストはとても吸いきれません。後ろ側に大きな集塵フードを置いた画像を見かけますが、これも理由があったわけです。
 集塵フードは、横または上向きは同じ程度の効果がありますが、下向きは下のダスト発生部に熱源があり、上昇気流が発生する場合以外は効率が悪いようですし、ダストが作業者の鼻面を通過します(笑)。

 しかしここまでのいずれにおいても、中心の風速が早く、周辺では遅くなっています。広い範囲の集塵ではこの違いが問題になってきます。これ、いくつかの木工作業が該当します・・・

 そこで(D)ように、フードに仕切りを入れ、喉もとの面積の配分をうまくすれば、各部の流速を同じにする事が出来ます。自動カンナの集塵フードなどマズイ!?とすぐ思い浮かぶでしょう。
また(E)のチャンバーといって、一端空気室で内部の圧力を均一にしてやる事で、各吸い込み口の流速の違いを少なくします。吸い込み穴や、スリットが狭いほど流速は均一になります。
これ、吸い込み口を上にして、穴がパンチング・メタルだとどこかで見たようなものになりますね(笑)

 広い範囲にわたって均一な空気の流れを作るのは難しいと書かれていましたが、(F)のように一方から空気を吐き出し、ダスト発生源を挟んで反対側で吸いこむことで、安定した流れを作る事が出来るとありました。

 正確な名称、詳細についてはとても書ききれないのですが、感覚的にフードの大切さは感じられると思います。

戻る