ハイスツールの試作 (1) (2) (3)
自作したいという人のため、Super FMTでの加工の検証目的でハイスツールを作ることにした。曲線部分があり、テンプレートも必要なので100円ショップの5cm舛のセクション・ペーパーに実寸で図面を作った。
材料は34mm厚のナラの荒材(板目)、目切れを少なくするため足部分は板の両脇から木取りし、残った中央部分をビスケットジョイントではぎ合わせて350×300mmの座板とした。製材後、足、貫の素材は33mm角で、貫は先にほぞを加工してからサイズ調整する。こうすることでビット交換が不要で、Super
FMTでの加工のセッティングが少なくなり、作業が簡略化される。
Super FMTは大きめの素材をセットできないので、下左のようなジグを作った。クランプ4個でしっかりと固定できる。
ホゾ穴を加工、周囲もベルト・サンダーでR加工した。 右下はシナベニアのテンプレートで、この内1200mmと1000mmを使用。
6/100の四方転びのテノン加工が済んだ足。通しホゾにしたかったがビットの長さが不足して座板厚33mmに対してテノンの長さは28mmとなった。加工に慣れてきて胴付がまともになった。足の先端は材料をSuper
FMTの中央から脇にずらして、ガイドピンがガイドから外れて自由に動くようにセットして切削し、四方転びの接地面を加工した。
座面加工はバリアブル・スピード・グラインダー(最低速5800rpm)と、オフコーポレーションのカービング用サンディング・カップで荒加工、そしてBoschのランダム・アクション・サンダーにスポンジ・パッドをつけて曲面加工するつもりでいた。
ところが年が明けて町内の役員から話があり、車の型加工をされていた方のご家族からカンナを譲っていただけることになった。
画像のように様々なRの反りカンナが引き出し4個分もあり、プロの話では型加工で使われているものは刃が薄くてよく切れるそうだ。といっても私の作業範囲ではとても使いきれないので、大部分はプロの方に届け、画像の小さな反りカンナだけ手元に残した。
一枚刃で確かに他の手持ちのものと比較して刃が薄い、試しに刃先が錆びていない中サイズのものでハイ・スツールの座面を削ってみのとよく切れる。ということで今回はサンダーの出番は無くなった。以前小さな豆カンナで加工したときは指がマメだらけになったが、グリップしやすい大きさで作業しやすく、3.5時間ほどで加工することが出来た。
足は図面を写し取ったテンプレートを使ってカーブをベルトサンダーで加工した。
下左は貫の確認中、そして接着中の画像。
貫のホゾは、座面と足と同じ二枚ホゾ加工し、テーブルソーで28×24mmに細くした。全て転びの胴付は一箇所だけノミで修正したが他は特に問題ないようだった。このあたりはSuper
FMTの面目が立ったということか・・・。
(3) クランプを外して座ってみたが、二枚ホゾでしっかりしたものになった。試作のつもりだったが、これも使いたいということで、塗装は先方で。
残り四脚、もう少し座面を大きく、また転びを広げるということで10/100の傾きで図面を作った。