キッチンカウンター/テーブル


 耐震工事を兼ねてリフォームするお宅から、キッチンとリビング・ダイニングの間に置くカウンター/作業テーブルの相談があった。
1.天板は1200×900
2.天板の高さは700、プロにオーダーしたシステムキッチンの木製無垢パネルと同系の質感にしたい
3.引き出しはキッチン側2、LD側3
4.キッチン側足元にダストボックスを置くのでLD側から見えないようにする。
5.質感の点で、突き板ではなくむく板がいい。
6.両サイドもパネル状がいい。
 ということで、両サイドもあるので予算的にもとてもではないが幅広板は使えないのではぎ合わせすることにし、近くの材木店を聞いて廻ったところ、20年近く寝かせたナラの柾目板を持っているところがあり、価格もほどほどだったので約4m長、厚さ34mmの荒材を複数枚購入した。

 荒材はねじれがあり、幅も150mmの手押しかんなは使えないので、ジグを作成して自動かんなで平面出しをした。虫食いで切り落としする無駄が出てしまい、その上天板の高さをシステムキッチンと同じ850高にしたいという変更があったりして予備板だけでは足りなくなってしまった。ところが間が悪いことに台風の直撃でその材木屋の倉庫の屋根が飛ばされてしまい、1月ほど待っても埒が明かない。仕方が無いので見えない部分は板目板を使うことにして通販で購入、ネットで専門店として販売しているようだがいまいちだった。

 もうひとつ問題があり、高さが700ミリなら寝かせて幅750ミリのドアを通すことが出来るが、850ミリになるとどうにもならない。そこでサンダー加工までこちらで済ませ、組み立てや塗装は先方に搬入してからということになった。

 
 幸い10/8畳の2間続きの広い部屋があって、養生して無事組み立てが終わったところ。仕切りのパネル 厚さ12mm 同士は雇いサネで接着しないではめ込んである。
 
 
 ナチュラルオイルの塗装はご主人が休日に行い、今月はじめにようやく完成した。4人がかりで組み立てた部屋の窓からいったん外に出し、LDの窓から運び込むという力仕事となった。下は仮置きの様子で気に入ってもらうことが出来たようだ。


 正直言ってこちらの工房では手に負えるサイズ、重量ではなくやっとこさという感じで、何とか完成できてほっと胸をなでおろした。