ダイニングテーブル (1) (2) (3) (4) (5) (6) (7)


 知り合いから家族が増えたのでダイニング・テーブルを大きくしたいと相談があった。色々打ち合わせしていく中で最大8人まで使えるためには幕板や貫は無くして足だけという結論に達し、ほぞ等の難しいところは無いのでそれならばパパのいいところを見せようと木工は全く初めてのご主人が挑戦することになった。
 機械の扱い方、工具・刃物の使い方、必要な加工ジグなども全て説明しながら自分でやってもらっている。
 
 毎週日曜日だけの作業で完成まで時間はかかると思うが、家族の応援を受けて張り切っている。


 一月以上前の作業。
 
 テーブル足の金具を塗装用ベースに取り付けて、WATCOクリアで塗装。小学校、幼稚園のお子さんが手伝った。


 一枚板の天板を加工するためのジグの製作。
 
 右は出来上がって加工のイメージトレーニング。一気に加工したいが、日曜のスケジュール、天候のため夏休みになってからか?


 1-1/2インチ径のディッシュカッターで天板の裏面を加工。
 
 中央が盛り上がっていて、なおかつ長手方向も数ミリ違いがあった。3回に分けて徐々に切削、約3時間の作業で平坦になった。こちらは裏面なのでサンダーで仕上げるだけにする。

 95ミリ角の足と足の間に横幅が46センチのストッケのトリップトラップが3脚入るようにするため足と足の間隔が150センチ以上必要になる。またテーブル面の高さは床から70センチという希望。構造的にはしっかりした幕板、貫を使いたいが、天板の厚みが約6センチでご主人が大柄で幕板は膝がつかえる、4方向から座れるようにするためには、スタイル的には・・・と検討した結果画像の金具を使うことにした。街路灯のベースのように補強リブを溶接した金具を親戚の業者に作ってもらった。
   
 先日作成したジグで金具の落とし込み加工。当初6ミリの木ねじで複数止めることで取り付けることを考えていたが、木の状態でねじの利き方が千差万別、また足と足とのスパンは最大限とりたいとの希望があってどうしても木口に近い取り付けになる。スマートではないが8ミリの貫通ボルトも使うことに変更した。
 その他の方法としては鉄棒で斜めにステーを入れる、建築の羽子板ボルトを追加するなど考えられるが、足にぶつかる、見苦しくなるなどの理由で没になった。そり止めを兼ねて幅広の蟻桟にしてそこに足を固定する方法もあったかもしれない。

そり止めは、この板の厚みと、足のスパンが大きいので蟻桟を入れると残りの厚みが少なくなりすぎる気がしたので5ミリ厚のCチャンネルにした。


 このサイズのサンディングを室内でやる気になれないので、依頼主のカーポートの屋根にブルーシートを被せて遮光して作業した。この日は天板の裏面のみ、表面には無いがこちら側に厚みの半分程度の割れがあったので鉄刀木の契りを入れた。



 耳の皮はぎは刃の肉厚がある削り道具が無く、スポークシェープとサンダーで作業したのでちょっとてこずった。


 左画像は天板の表面のかんながけの途中。下のルーター跡があるけずり残し部分はこれまでと同様チャレンジしてもらった。



  

 足金具の取り付け、耳の仕上げサンディング、そして一回目のオイル塗装。完成まであと少しになった。


 製作主のご主人が入院したりで遅れていたが、先週土曜日、足を取り付けて完成。

 表面は4回塗装、予定通りストッケが3脚楽に入る。強度は十分で、万一地震の際にもぐりこんでも心配ない。材料を購入してから八ヶ月、お疲れ様でした!