工房の騒音対策

 野中の一軒家ならともかく、比較的近いところにお隣さんが住んでいるのが普通と思います。また法律でも純住宅地では昼間でも約50dB以下(もっと低かったかな?)にしなくてはいけないとなっています。
 昨年引っ越してきた道路を挟んだ家がカーマニアで、ロータス/ポルシェ・・・と派手なスポーツカーをとっかえひっかえしていますが、アイドリングの音がうるさくて長い。特にエンジンが冷え切ったに冬にゴルフに出かけるのか早朝から10分以上ゴロゴロ騒音を立てられたらたまったものではありません。
つくづく思いますが、これは被害者になって見なければ分からなかったことです。
 趣味で時間が短いとはいえ、ブロアのダクトをいきなり屋外に排気するのは考え物です。
消音ダクトは手に入りにくいものですが 
http://www.cextension.jp/tccj_webcat/show_big.asp?page=259&cat_id=C52070&cat_id_no=6&disp=
がありました。このメーカーなら比較的入手しやすいのではないでしょうか。
 かく言う私も一番最初のころはブロアに1mほどの直管をつないだだけで使っていて、数軒先で「木工やってる」とわかっていた時があり、反省しています・・・


工房の騒音対策(2)

 まず集塵機を考えましたが、室内の空気を考えるとそれなりに集塵をしていても集塵ブース内でやらない限りミクロの粉塵は室内に飛散してしまうと思います。ですから室内の換気は必ず考えた方がいいと思います。
 壁付けの台所の換気扇タイプ(羽の大きさが25〜30cm以上)で、効率よく排気できますが内外ともに相当うるさい。それと電動工具の騒音を考えると壁に大きな穴が開くのでそれも漏れてしまいます。
 今回は中間型ダクトファンを考えています。これは天井裏に設置するものですが、排気側には例の消音ダクト、本体の吸気側(室内側)にサイレンサーがついたもの、たとえば東芝でしたら150ΦのDVC-23HN、200ΦのDVC-25HN等を使用すると室内、屋外ともある程度の騒音対策が出来るのではないかと思います。
 空気の流れも大事で、空気が流入する窓と換気扇は対角線上(というか対抗面)に無いと吹き溜まりが出来てしまいます。

 ことわざに「・・・である前に、よき社会人であれ」、今は自分をほめてやりたい人が多くなり死語かもしれません・・・


工房の騒音対策(3)

 最近の住宅は省エネの点からも断熱材の層が100ミリと厚く、なおかつある程度の重さがあるものが使用されていますので、壁の遮音はかなり良いのではと思います。防音の点から考えるとなるべく重量があるものの方が効果があり、コンパネよりブラスター・ボード(石膏板)内張りが効果があります。また外壁と内壁の隙間を広く取って、更に内側に防音シートを貼ると良いようです。
 壁より更に音が漏れやすいのは窓/ドアです。最近はペアガラスが普通に使われますが、これもガラスの厚みがあるもの、空気層が厚いもの、サッシ枠が重量があるものが遮音特性は優れています。現行の窓枠に木ねじで簡単に取り付けられるプラスチック枠の内窓を追加して2重にするのも最大20dB程度の遮音が期待できるようです。
 忘れがちなのが据付機械の振動かもしれません。床や壁が共振して部屋全体がワンワンいっていたら笑って済まされない? 重量対策もあるので床の太引きは一サイズ太くする、根太の間隔を狭くする、下貼りをコンパネだけではなくブラスターボードと二重張りにする(P社のモデルルームで床を蹴飛ばしたらドンドンいったが、S社はこの工法でほとんど響かず)、必要によっては床束で補強する。
 ハウス・メーカーの床は普通最大150kg荷重で考えられているようです。


サッシの性能

 環境基本法による騒音規制値は次のようになっています。
    http://www.env.go.jp/kijun/oto1-1.html
一方いろいろな状況での騒音値は次が参考になります。
    http://www.noborudenki.co.jp/consultation/knowlege_6.html
 小型木工機械でいえば、自動かんなの切削時、手持ち工具でもルーターなどユニバーサル・モーターの回転音もかなりうるさく、90dBを超える場合があるのではないかと思います。環境基準の50〜55dB以下にするためには壁、窓、ドアなどを総合した(というより全ての)遮音特性が40dB以上のものが好ましいことになります。もちろん騒音源からの距離、騒音の帯域分布、頻度、受容者の知覚差などのばらつきはありますが、一方的に自分の都合の良い方向に考えるのはどうでしょうか? 自分がうるさいと感じる騒音は人にとってもうるさいでしょう、きっと・・・
 最近の高気密住宅では壁、サッシに35〜40dB程度の遮音性能があるようですが、これには中間にフィルムをラミネートした複層ガラスが使われているようで、周囲の騒音環境、受容者側との距離、先方の騒音遮断特性などでラッキーにもぎりぎりセーフになるかもしれません。また北国の二重窓もこの点では有利ですが、一枚ガラスのサッシなどではあまり減衰することなく騒音が漏れてしまっているのでは?
 窓に関して比較的簡単な対策は樹脂枠の内窓を追加することです。旭硝子、YKKap、トステムなどから発売されています。
 http://www21.ocn.ne.jp/~i-kaze/soundproof/
こちらももちろん複層ガラスのほうが効果は上がります(5ミリの一枚ガラスでプラス10dB、複層ガラスでプラス20dB程度、詳しくはメーカーのカタログ参照)。家族やご近所に気兼ねなく、存分に木工を楽しむためにはこうした投資も不可欠、止むをえないのではないでしょうか?

(注)壁、その他に関しては千差万別でわかりません。メーカー、施工者などにお尋ねください。


In House Workshop?

 いろいろ検討していく中で、別棟にするかどうかが大きな分かれ目。作ること自体も興味があり楽しみのうちですが、まず騒音、振動対策をどうするかが大きな問題です。広ければ広いに越したことはないと思いますが、そんな大きなものを作ることがあるのかどうか? という点、市街地の中で防音サッシや防音ドア、遮音性も優れた断熱材、壁材、屋根材、床構造、耐震補強など考えながら内容を検討し材料の見積りを取ったりしていく中で、安全のためにも夜は作業しませんし、使い勝手、費用の点も含めてハウスメーカーと比較して別棟にする利点はそれほどないという結論になりました。また手段のために時間がかかりすぎるのもある意味でもったいない?
 イメージは、いずれとっ散らかるかもしれませんが「明るいアトリエ」的、さあどうなりますか(笑)


床補強

 小型木工機械の最大重量が約250kgで話したところ、小梁(75*125)が225o間隔、根太(38*51)が約158o間隔ということです。これは機械の荷重が面に一様にかかる場合だけでなく、構造によっては点荷重になる場合のたわみを考えてこうなったようです。普通はコンクリートの土間+床材貼りにすると思いますが、冬の底冷え対策、後々の面倒さを考え通常の床構造にしました。


電源コンセントの防塵

 以前も話題にした事がありますが、一般家庭のコンセントとプラグの隙間に埃が入り込んで湿気を帯び火災にまでなった例があるようです。木工現場では粉塵がすさまじく、常時抜き差ししない場所は更に危険な状況と思われます。今回も200V系のコンセントとして完全防水のコンセント/プラグを探していましたが、かなり高価です。
 そこで常時差し込んだままになるところは普通の露出/引っ掛けコンセントに丸型のゴムプラグを差込み、隙間をビニールテープなどでシールしてやればいいのでは? と。これでコンセント/プラグの費用は約1/4に低下(笑)


新集塵

 秋以降の話ですが、次の集塵システムの構想を練っています。ダクトを接続しないサイクロン単体で1200CFM程度として、目標は機械側の吸い込み口で800CFM(約29立方m/min)以上。さてどのように配管/フードなどを考えればよいか?
圧損は風速の二乗で利いてくるのでどんどんハードルが高くなります(笑)


床補強



  クレーンで吊り上げられた作業部屋の一部の床下です。
 先日書いたように金属部分は小梁(75*125)が225o
 間隔、木材の根太(38*51)が約158o間隔になっています。
  またフローリングの下貼りも二重です。


  冬対策で、ストーブは火気があり、ファンヒーター、エアコン
 などファンを廻すものはダストが舞い上がる・・・ということで
 夜間電力を利用した蓄熱ユニットを1階の床下に入れました 。
 トイレ、脱衣場、廊下なども含めて真冬でもTシャツで
 いられるというセールス・トークでしたがホント???


 








食器棚の扉のラッチ

 地震対策してますか? でこれまで手をつけていなかった食器棚の対策をしました。
 

 まず両開きの扉ですが、扉の裏側に密閉するための木の羽があり、貫通穴で取り付けるものは使えません。
 デザイン的に抵抗が無いものを探したところ、鉄製でブロンズ仕上げのものがありました。レバーの厚みは
 約3ミリあり、十分な強度です。

 片扉用はプッシュ・ボタンタイプにしました。
 
 上左がラッチされた状態、ボタンをいっぱい押し込むと上右のように飛び出して、下左画像のバーが動くようになりロックが外れます。
 
 まだまだ要検討の場所が残ってます・・・


タンク船?


  雨水利用のため埋めた1000Lの
 ステンレスタンクが集中豪雨のため
 浮き上がってしまいました。
  約1.2mほど埋めたのですが、まだ
 雨どいなど雨じまいが済んでいなかった
 ので周囲から流れ込んでこんなことに
 なってしまったようです。

  再びユンボのお世話に・・・






2007年・・・

 引っ越しました。夜景です。

 出来る事はどんどんやった?







 ゲートの鍵は電磁式を使いました。
 室内からリモコンが簡単。国産品は特許/独占販売?
 の為かかなり高価。アメリカから個人輸入しました。















 懸案も徐々に片付けてしかるべきものがしかるべき場所に収まり・・・・・・



 木工らしい木工は全くやらなかったわけではなく、8月の猛暑の中無理をお願いしてある工房を使わせていただき作りました。
オール楢でとても階段を持ち上げられないのでばらばらの状態で室内に運び込み組み立てました。

 

 ということで大忙しの一年でした。まだまだ片付ける事は山ほどありますが・・・
それでは良いお年を!


雨水利用



  雨水貯蔵タンクです。タンク船事件?以後
 埋め戻して水を入れておいてから約3ケ月
 経過しましたが画像のように濁り、藻、カビ
 などはなくやはりステンレスタンクの遮光が 
 良いためでしょうか。

  化学プラントのプロの助けを借りてしっかりと
 まとめたいと思います。それにしてもうっかり
 パーツなどを水深約1.2mに落としたら大変ですから
 慎重に作業を進めます。




 
 タンクの注水口とオーバー・フローはパイプを接続してそのまま?のつもりでしたが、さすがエルボを
用意してくれていて・・・

 
 左画像は雨どいの取水部分です。右のパイプにはドレイン・コックを入れますが間に合いませんでした。
左側のエルボは透明なパーツにして水が流入する様子を観察できます。上右はタンクの注水口の配管。
 そして下画像はくみ上げパイプの接続と電動ポンプです。
 



  タンク、ポンプ、蛇口、シンクはデッキの下に
 配置しました。左側の蛇口は普通の水道水、右が
 雨水です。
  小さなポンプですが15ミリ径では十分な水量があり
 音も極めて静かです。これからの活躍(本格的には
 来年の春以降)が期待出来そうです。







ド・ドアが開かない!!!



  集塵機を動かすと、画像のように木屑落としのために
 敷いたパンチが激しく踊る?!
  機密性がいいこともあって、ドアに体当たりしても
 開きません。うっかり動作させたまま外からドアを
 閉めてしまい、大元のブレーカーを落とさないと
 部屋に入れませんでした(笑)

  やっとの事で片付いてきて、集塵などのセッティングに
 取りかかれるようになりました。





 

 TEMPESTは付属している金具で壁に固定するつもりで専用のやぐらは購入しなかったのですが、
現物を見てあまりに重い事、壁を通して家全体が振動してしまう事を警戒し市販のアングルでやぐらを
組みました。モーターは天井ぎりぎり、組み立てておいて引き起こすのは危険と思われたので
中ぐらいの高さで組み立てて引き起こし、下から車のジャッキで少しずつ所定の高さまで持ち上げ
固定しました。アングルのフレームは振動吸収が抜群の高分子ゴムをはさんで壁にしっかりと固定
しています(普通の黒ゴムなどはほとんど効果なし)。
 メイン配管は150Φのスパイラルダクト、先端は100Φに変換してフレキシブル・ホースで機械に接続しています。

 


 上右画像で先端が開放された150Φの直線ダクトが見えますがこちらは換気用のダクトで、大き目の
中間ダクト・ファンで排気、画像では天井から吊られているのが見えます。集塵機、換気ダクトは
突き当たりの壁を貫通し、それぞれ天井裏の長さ約2mの消音ダクトを通って外気に排気されます。
実際に動作時に騒音を確認しましたが道路を通過する乗用車の騒音のほうがずっと大きく、昼間の作業で
あれば問題無いと思われます。

  

 部屋には専用の配電盤を取り付けてもらい、メインブレーカーで全ての電源を落とせるようにした事、また
それぞれの木工機械には専用のコンセントを設け、1回路に集中させたので動作時の電流を検出する事で集塵機を自動的に連動させるようにしました。左上画像の下のほうにある基板や電磁接触機がそれで、電流の検出は右上画像の市販のカレント・トランスを使用しています。これはある範囲で通過電流と検出電圧が
比例するようになっており、検出交流電圧を計れば交流電流も測れる便利なものです。

 まだ日が浅いのですが、TEMPEST(2.5HP)の集塵能力については納得! このサイズを敢えて部屋に
持ち込んだはちょっと冒険だったかもしれませんが、正解だったと思っています。


集塵配管/目論見違い

 思い出したくなかったので思い出さなかったのですが、FWWの件の記事で思い出してしまいました(笑)。計画中のイメージは「明るいアトリエ風」で、あれこれ機械の配置を考えて図面を作り、集塵のメイン配管は床下にするつもりでプランを立てていました。こうすれば機械に接続する100Φフレキシブルホースは格段に短くなり、アイランド設置の機械への配管もスマートです。家のユニットが据付けられてからでは床下へ潜れるのはキッチンの床下収納庫からだけ。斜めにしても1メートルちょっとの長さしか入れられない事が分かり、基礎が出来た段階で150Φのスパイラルパイプを入れておきました。きちっと機械の位置をフィックスしてスパイラルパイプを切断しておければ良かったのですが、初めてお目にかかる機械が多く多分手直しが必要になるだろうと考えて後に廻しました。フレキシブルホースも考えたのですがロスが大きい上に高くつき、また蓄熱暖房ユニットがあってかなりの温度になるという事で直近は通せない。
 実際に機械を搬入してみるとやはり数十センチ以上のずれは結構多く、先に床に穴を開けなくて良かった。しかし駄目押し床補強の床束を取り付けるために床下に潜って作業してみると、キッチンから延々と?這って行き、たかがネジを廻す作業でも疲れてしまい、無理な姿勢でグラインダーで火花の出るパイプ切断はとても無理(作業慣れしている方もいるでしょうが)。で急遽天井取り付けに変更。長くて床下の角を通せなかったスパイラルパイプはそのまま残っています。ま、これからでも気力があれば全く出来なくは無いですが・・・
 で結局「明るいアトリエ」が「明るい工房」になったというお話でした。