サイクロン集塵機のグレード・アップを考えていましたが、なかなかぴったりなブロアが見つかりません。市販の1.5HP以上のものは価格も高く、インレット、アウトレットの口径が120〜150mmになってくるので、現在使用している100mmの配管では十分性能を発揮するのは難しそうです。
そんな中見つけたのはPennStateIndustriesのDC-3というポータブル型でした。モーターは1-1/2HP、風量は850CFM、最大静圧は8.5inches
of water で約2.1KPa、インレットアウトレット共に4インチ、サイズは14”×14"×16-1/2"、重量は46ポンドで、カタログでは62dBという家庭用クリーナーなみの騒音値です。ここのWEBではウッド・マグのサイクロンのブロアとしての使用例も紹介されているようです。
ところがここはEメールの返事がない、トラッキング・ナンバーの連絡がないなどどうも対応が悪いという評判です。また最大の問題点は送料で、梱包箱で考えた15"×15"×18"のサイズ、重量48ポンドとしてUPSのカリキュレターで確認するとなんと$300です。多量の荷物扱いがあるクライアントは割引があるようですがそれでも$200程度はかかってしまうようです。
集塵バッグ無しのモデルDC-3CSXLは通常$190ほどですが、現在ディスカウントで$180ドル、配送は、これが一番のミソですが、アメリカ国内で一端受け取り、安いルートで日本に発送してもらうという方法を試す事にしました。
オーダーは相手が逃げ隠れできないよう!?直接電話しましたが、オペレーターのお姉さんは親切で、どうしてこれまで悪い?評判があるのか?と首を傾げましたが、もしかしたらEメールの引き合いだけで実際にオーダーが無いことにうんざりしているのか?と思ったりもしました。
6/15(水) オーダー
6/23(木) アメリカ国内で受け取り、ヤマト便で発送
6/27(月) 自宅に到着
とさほど日数もかからず、拍子抜けするくらい早くクロネコ便で到着。問題の経費ですが
アメリカ国内の送料+扱い手数料+ヤマト便
で合計 $86 で済みました。ブロア本体と合わせても $266 ですから国内で入手できる2ランク下の集塵機よりも安いくらいです。
今だに何でこんな送料が安いのか半信半疑ですが、リスク覚悟で試したにしてはとにかく大成功に間違いありません。ただし誰がやってもうまくいくか?という自信はありませんので紹介にとどめます。自己責任で、何があっても一切クレームは言わない条件でチャレンジしたいという方がおられましたらメールでお問い合わせ下さい。
今クレジット・カードの個人情報流失で大騒ぎしていますが、私のカード情報もよく海外通販を利用しているので案の定、流失リストに入っていました。現時点では被害にはあっていませんが、気持ちが悪いのでカード会社に現カードの差し止め、新カードへの差し替えを依頼しました。経費なし、1週間程度で新しいナンバーになりますので、これまで海外旅行、海外通販を利用した方は念のため確認をお奨めします。
2005 June
入手したばかりのブロア DC-3の動作をテストしました。出荷時は100Vのワイヤリングになっているので単相200Vに接続変更、回転音は確かに静かで、何も接続していないアウトレットの風音が結構すさまじく感じました。3HP以上の業務用集塵機にはサイレンサーがついているものがあり、10dB以上騒音抑止効果があるようです。
テストついでにアイデアとして興味を持っていたタンデム運転の実験もやってみました。
左がルーターレースの集塵ポート、下は現用のサイクロン集塵機に繋がっています。このDC-3のモーター定格が1.5HP、右のサイクロンのブロアの出力が0.4KW(0.5HP)、合計して2HP近くなっているのでしょうか(いや、DC-3は50Hz運転なので20%程度能力ダウン?)???、集塵ポートに手をかざすと風量の違いは手にとるように(笑)はっきりしており、サイクロン単体ではルーターレースの集塵ポートでは無音でしたが、この接続では風音がひゅーひゅーいっています。
同時運転の場合は多分風圧、風量はどちらかの能力の劣る方がボトルネックになるのではないかと思います。タンデム(直列)運転ではそれぞれのブロアの最大静圧が加算(単純な足し算ではないにしても)されるので、サイクロン、100ミリのダクト、ホースの圧力ロスをカバー出来るようになって風量が増加したと考えられますが、どうころんでもサイクロンのブロアの最大風量約540CFM以上にはなりません(DC-3は60Hzで850CFM、50Hz運転なのでちょうど同程度になって好都合かも・・・)。この場合二つのブロアの特性曲線を縦軸に積み上げておいて、圧力ロスの曲線との交点が動作点? こんな単純ではないかも?・・・
同じようにこれらのブロアにホームクリーナーなど2〜3m3/min程度(約70〜110CFM)度のものをタンデム接続しても風量はそれ以上には当然なりません。
現状をこのまま変えずに、大風量が必要な自動カンナ、ルーターレース、バンドソーなどの場合だけ途中にDC-3を使用する、という使い方も有りかな? なんて楽をしようとしている????(笑)
2005 July
どうも項を更新の際削除してしまったようなのでもう一度追加。左がこれまで使用していた0.5HP(0.4KW)、右が交換する1.5HPのブロアです。
ここは静かな住宅地で、最近は寝たきりのお年寄りなど騒音に対する配慮が必要なので、ブロア交換を機にサイクロンも室内設置することにしました。しかしブロアは誘導モーターとはいえ室内ではうるさいので、下左のサイクロンのアウトレットの真上の天井裏に設置しました。振動騒音をシャットアウトするのには機械的に絶縁するのが一番なので、ブロアは屋根の垂木から綿ロープ(6本がけ)で吊っています。
これまで特に手持ちの工具、電動工具のダスト対策はしていなかったので、サンダーがけなどは縁側に出てやっていました(笑)。作業台の上にホースを伸ばし、コの字型の簡単な衝立と併用することで心配なく作業が可能になったようです。
室内は低騒音で普通に会話出来ますが、外に出てみると軒天の吹き出し口からすさまじい騒音で、そのままではとても長時間使用出きません。
以前手持ちのブロアの騒音対策で消音器をアウトレットにつないだところ目ざましい効果があったので、手持ちのフェルトを丸めて60cmほどの筒にし、ブロアのアウトレットと軒天の吹き出し口に至るステンレスパイプの間につないでみました。
効果は抜群で、すさまじかった騒音が台所の換気扇程度まで低下しました。
ブロアのアウトレットの騒音対策にマフラーがとても効果的なことが実験から確かめられました。しかしいろいろな理由からノン・スリップ・マットを丸めた筒のままにしておくわけにはいかず、ましな物を作ろうと思いました。以前作成した手持ちブロアの場合はパイプの径が50φと小さく、塩ビパイプなどで作れたのですが、内径100φともなると100/150φの異径ジョイントだけでもホームセンターにはないし、価格も馬鹿にならないようでした。
そこでその道がご専門のKAZU@あきたさんに相談したところ、早速すばらしいアドバイスと、手配をいただけたのです。
画像は消音ダクトという空調に使われる部材です。タイロン グラスダクトという商品で、保温・防湿・消音機能がありダクトのメイン・ラインの角管から分岐し、吹き出し口に接続して使用するそうです。メーカーのホームページのカタログでは騒音の減推量は中音域で1m当り20dB以上、正圧なら0.5〜1.5KPaで使用できるようで、価格的にも自作するよりずっと節約できそうです。
構造は上左画像のようにスパイラルとガラス・クロスの筒をグラスウールで包み、外側は空気が漏れないよう塩ビシートで覆われています。フレキシブルで軽量、切断も簡単で、125φのグラスダクトを約1.4mに切断して、ブロアのアウトレットと、軒天の吹き出し口に至るステンレス100φパイプとの間に接続しました。
早速ブロアを回して外に出て騒音を確認すると前より騒音は低下していて、その効果は良好なようです。また径が大きくなったのと、内面の空気抵抗の違いか風量も増加しました。KAZU@あきたさんのお話ではもともと100φのダクトに125φのグラスダクトを使用することでチャンバー効果で脈動も押さえられるのではないかということです。
お見苦しいですがこの季節屋根裏などに入り込む
物ではありません、10分もしないうちにごらんの
ありさまでした(笑)
若干気になるのはカタログの最大風速値です。
10〜20m/s程度になっていますが、100φで400CFMの
風量では管内の風速は25m/s程度になります。
空気漏れはありませんが、長い期間の耐久性に影響が
あるかもしれません。
またこのタイプは内面が金属ではないので、プッシュ型(サイクロン、集塵袋の前にブロアがある)ではまだ分離されていないダストや木片が衝突して内面が荒れて穴があいたりする可能性があるので不向きと思います。
いい材料をお世話していただいたKAZU@あきたさんに大感謝です!
改造といっても電波リモコンの送・受信機本体では無く、受信機から先のコントロール回路です。リレーを2個追加して、集塵ホース・セレクターもリモコンで切り替え出来るようにしました。
画像はリモコン送信機ですが、このようにボタンの機能を割付けています。夜間は電動工具が使えず、ちょうど時間が空いたので(笑)
2005 Aug.
サイクロン+ホーム・クリーナーはいろいろ使用しているので、Super Saw専用にするわけにはいきません。一番簡単な方法は?と検討して、画像のようなセレクタ・タワーになりました。サイクロンは部屋の壁側中央にあるので、枝分かれよりこのタコ足が効率的。それにホームク・リーナーは負圧が大きいので作りの悪いブラスト・ゲートは心配(4インチで使っているプラ製は空気漏れあり)?
サイクロンからのホースをそれぞれの穴の位置にスライドさせると、上からホーム・クリーナーのホースとノズル、真ん中がSuper
Sawのダスト・フード、下は50φのホース(約3.5m)でフライス、旋盤用の集塵。一番上と下の二つの穴は今後の拡張用です。スライド部分は5ミリ厚のスチロールかジュラコン?の端材で気密性、スライド感ともに満足できるものでした。
2005 Sept.