ブレード・スピード・メーター 予備実験

 早速ブレード・スピードを検出するための実験です。最初はホイールに小さな永久磁石を取り付けMRセンサーで検出しようとしましたが、ホイールの回転は毎秒6〜19回転程度で誤差が大きくなるので取りやめ、赤外線発光ダイオードと、フォト・トランジスターに変更。下画像のようにテンション調整部のネジを利用して取り付け、アルミ・ホイールのリブでの赤外線の反射を検出するようにしました。
 
 以下はモーターの周波数とフォト・ダイオードの出力です。波形が下に下がっているところが反射検出部分。リブは5つ、ホイール径を0.3mとして60Hzでは
回転数 = 94÷5 = 18.9 rps
ブレード速度 = 0.3×3.14×18.9 = 17.8 m/sec
 
 同じく50Hzでは
回転数 = 92÷5 = 18.4 rps
ブレード速度 =  0.3×3.14×18.4 = 17.3m/sec (カーソルの合わせ方が悪く実際はもう少し少なめ)
 
 20Hzでは
回転数 = 31.1÷5 = 6.2 rps
ブレード速度 = 0.3×3.14×6.2 = 5.8 m/sec
 


 フォト・トランジスタの出力は0.5Vあるのでコンパレーターを通してやればこのラフさでも計数できそうです。シンクロで時間軸のカーソルを合わせて読み取っているのでラフな測定値ですが、金属用ブレードではもっとインバータの周波数を下げる必要がありそうですね。
ここまで分ってしまえばブレード・スピード・メーターは不要!? といってしまっては身も蓋もありません(笑) だって、ほら、オーマチック車についているタコメーター、無いよりもあった方が嬉しいでしょ!?・・・・・

2005 Jan.


バンドソー用 ブレード・スピード・メーター

 いく種類かのPICチップで、タイマー、カウンター、割り込み、A/D変換、コンパレーター、PWM、四則演算などの機能を一通り学習してきましたが、これも半分はその為に作ったようなものです(笑)。
 ブレード・スピードの精度は2桁もあれば十分なので、LED表示は3桁のもので簡単に済ませました。

 電源オン、あるいはリセットで、ジャンパーピンで設定したバンドソーのホイールの直径を表示、この場合は10”の設定です。そしてしばらくするとカウントはゼロになります。
バンドソーを動作させると10インチの場合は約0.**秒ごとに表示が更新され、ブレードのスピードがm/sで表示されます。

 BS-10Kのリブは5つで、普通では (1秒間のカウント数÷5)×ホイールの周長 でブレードスピードを計算しますが、カウント値を2倍すれば十倍となり、またゲート時間を変えて周長の掛け算もやらないで済ませました(アセンブラでは二進数の掛け算、割り算は結構面倒なのです 笑)。ホイール径やリブの数が変わっても同様に処理できます。
 絶対必要なものではありませんが、ブレードの歯数、送りスピードや木の厚み、硬さ、挽き割りの際などの負荷の具合がある程度検証できるのではと思います。

 ところで上の三つの画像がブランクですが、手で回して動作は確認したものの、深夜に電源を入れてバンドソーを動かせないためで、ここで予想レースです!!!!
**.*m/s *.*m/sのように60Hz、50Hzそして20Hzで表示される数字を予想してみてください。動作条件はインバーターと0.4KWの三相モーターで周波数を可変して駆動、ブレードは1/2”幅のレノックスのバイメタル・ブレードを装着した空転時。プログラムの都合上小数点下1位の桁は0,2,4,6,8のいずれかの偶数で、表示値プラスマイナス0.2は誤差としてセーフにします。三連単で見事予想された方にはプレゼントがあります。ヒントは予備実験です。

 予想を掲示板に書き込むか、もしくはメールで送ってください(画面左下のアドレスの先頭に'e'をつけてください)。一人一回、締め切りは1月22日、日曜日の深夜24時です。

2006 Jan.


バンドソー用 ブレード・スピード・メーターで測定

 下図の<A>はホイールの周長が1.00mなので、単純に1秒間の回転数を掛ければブレードのスピードを計算できます。<B>の場合は1秒間の回転数に1回転の周長を掛けて同じくスピードを求めることが出来ますが、ここでは0.848秒間の回転数を測定することで、測定した回転数=ブレード・スピードとなり、掛け算を省略することが出来ます。


  またBS-10Kのホイールのリブは5つなので、
 測定したカウント数は実際の回転数の5倍となります。
  こちらも測定したカウント数を5で割る代わりに
 2倍すると実際の回転数を10倍したことになるので、
 小数点の位置を1桁左にずらすだけで面倒な
 割り算を省略できます。
  ここで2倍しているので、最小桁の数字は
 0,2,4,6,8のように偶数になります。





 さて、実際の測定結果です。幅広のブレードでは接合箇所の回転位置によって結構スピードがばらつくようですが、下が平均的なスピードです。このことから0.4KW≒0.5HP程度のモーターではブレードにかかる負荷によってかなりブレード・スピードが変わってしまうだろう、また木材のそりなどで切断中にはさまれた場合もあまり想像したくない(笑)。筐体の剛性ともかかわるので一概にモーターの馬力を大きくしさえすれば・・・とも言いかねる感じがします。また今更ですが、誘導モーターではある条件範囲で電源周波数と回転数はほぼ比例することも分ります。
        60Hz                   50Hz                    20Hz
  

 したがって正解の範囲は
・60Hzの場合 ・・・ 15.2〜15.6m/s
・50HZの場合 ・・・ 12.8〜13.2m/s
・20Hzの場合 ・・・ 5.0〜5.4m/s
となりました。ご参加いただいた皆さん、どうも有難うございました。残念ながら3つとも正解の方はおられず、イシワタさんが50Hzのみ不正解でしたので、記念品をお送りします。すこしお待ちください。

 木工用のバンドソー・ブレードは20m/s程度で作られている物が多いようなので、60Hzの輸入機械を50Hzで使用するとちょっと遅いかな、実際の切断からも感じられます。ところで50Hz->60Hz変換装置はまかり間違えば黒焦げになる危険な回路のため(笑)、資料集めと検証に時間がかかり、なかなか進展しません。があるところにはあるものです! 100V単相->100V、100V単相->200V、200V単相->200Vいずれの組み合わせにも対応、単相/三相誘導モーターどちらも駆動可、最大能力は1.5HP、おまけに1〜15秒停止の電子ブレーキ機能付のものがあるようです。価格もまあまあ、カタログどおりとすれば、東日本向けの夢のようなインバータか?・・・