ビニールハウスの暖房

 ここは静岡といっても海抜が約90mあり、平坦地より2〜3度気温が下がります。デッキ上に仮設のビニールハウスを設置しましたが、昨冬は寒さに弱いジャカランダ、バンマツリの苗、インパチェンス、ナスタチュームなどほとんど枯れてしまいました。
 
 今年はその教訓から、ビニールハウス(1800*1200*1800)に全面プチプチを内張りして二重にし、USB温度ロガーで内外の温度を監視するようにしました。12月初旬最低気温が5度程度になったときに内外の温度を比較してみるとほとんど変わらないようです。やはり何らかの暖房が必要なようなので手持ちのパーツ類で作る事にしました。

 市販の電気ストーブ(園芸の専用器具は高価)は能力を低く設定しても400〜500Wと発熱量が大きく、反射板が特定方向にだけ熱を放射するし、真っ赤になっていて火災などの心配があります。単相インバーターの負荷試験に使用した200V/1KWのコイル巻きヒーターを100Vに接続すると電流は2.7Aで、構造的にもコンパクトに納まりそうです。
 ハウス内で空気を対流させるためパソコンの放熱に使われている100Φの直流ファンで風を当て、温度調節はサーモスタットで。出てくる風はソフトで、手をかざしてもやけどするような温度ではありません。


 枯葉がヒーターに落ちてこげたり燃えたりしないように上面はアルミのパンチングメタルで囲い、下面はベース板が焦げないようブリキ板を貼り付けています。またヒーターが動作すると常夜灯に使われているナツメ球も点灯し外から「やってるやってる」と確認できます。

 ビニールハウスの容積からするとヒーターの発熱量が少ないのでサーモスタットは10度と高めに設定(温度が下がりきってからでは暖房が間に合わない)外気温は-3度まで下がる日がありましたが、ビニールハウス内の最低温度はグラフのように約2.5度になりました。(最高気温側は日光が当たったためで意味ありません)。またグラフにはありませんが12月に最低気温が-6度になった事が2回ありましたが室内は2度でした。風の影響もあり必ずしも屋外と室内の温度差は一定ではありません。日光が当たれば室温はグングン上がりサーモスタットが切れるので無駄に通電する時間は心配ないようです。


 ポットや植物が凍結しないようにすることが目的ですし、昨冬のように一気に気温が低下しない場合は植物のほうが慣れることもあるようなので、全てこの冬を乗り切る事が出来ました。特に園芸品種で種が出来ないサンパチェンスは大成功です。