地震対策(1) (2) (3) (4) (5) (6) (7)


 3月11日の「東北関東大震災」には、時間が経過しても言葉を失ったままだ。さらにあらゆることが「未曾有の天災」としてだけにしてしまうことが出来ないほど「人災」の側面が浮かび上がる。防波堤の盲信、その後の危機管理・対応のお粗末さ、東電、原子力保安院の無能力さ等等、こうしたことの根源のひとつとして議員、官僚、受益企業などの利益誘導体質の害悪が積み重なって情けない実情をさらけ出してしまっているような気がする。

 そんな中、こちらでも地震が発生した。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20110318-00000028-mailo-l22

市内の震度は5弱の発表だったが、これまで体験した地震の中ではもっとも大きかった。地震計は市内に3ケ所設置されているが、近所で屋根瓦の落下、ブロック塀の倒壊を結構見かけた。こちらのほうが震源に近いので震度はもっと大きかったかも知れない。揺れは東西方向が強かったようで、東向きの本棚から本が落下したが、南向きのものからは落下が無かった。また西向きの和ダンスを固定していたL金具も強い力を受けて変形してしまった。

 引越しの後あわてて手持ちのL金具を取り付けたので強度は不足していたが、幸い転倒には至らなかった。その他引っ掛けてあっただけのクランプが落下したり、壁に立てかけてあった荒材が倒れたり、木工機械も2センチ弱動いていた。


落下防止対策

 本棚は無対策だったので早速ネットで探し、画像のようなプラスチックのダボを見つけた。
 
横棒は亜鉛メッキは錆びる、ステンレス巻きのパイプは結構高いのでφ5、SUS304のステンレス棒を使用した。棚板の高さを変えるために開いている穴に差し込むだけ。棒は上から押さえるとカチッという感じでロックされ外れにくくなる。
 

 食器棚には下画像のようなラッチを取り付けてあったので飛び出しは無かった。
 
しかし内部で動いたため下左画像のように棚板の前面までせり出してしまったものがあり、不用意に扉を開けると食器が落下してしまうところだった。
  
 棚板のダボは埋め込みナットになっていたので、画像のようなフェンスを作りボルトで固定した。また最上部は出し入れしにくくなるので菓子箱にまとめてしまうことにした。


非常通信

 市役所の防災危機管理課にアマチュア無線の非常通信ボランティア組織があり、100名以上がメンバー登録している。一番の役割は災害発生直後の第一次情報の収集で、自分や家族の安全が確保されたら、近隣の被害状況を無線で連絡することになっている。今回も地震発生から10分程度で呼称があり、自宅、職場や自動車で移動中のメンバーから40件近い情報が集まり、市内のおおよその状況が分かった。解像度はあまりよくないがカラーの画像も送れるので対策出動の助けとなる状況把握に少しでも役に立てればと思う。また避難所が設置されたらそこに移動し、市役所との連絡(補助)も分担することになっている。
 親類の無事の確認のため加入電話や携帯で連絡を試みたが3時間以上つながらなかった。また携帯の基地局は停電時の非常用発電設備を備えているものもあるにはあるが、それ以外は3時間程度でバッテリー切れになってしまうようだ。


非常電源

 夕方からの計画停電の際は画像のように17AHの密閉型バッテリー、インバーターで蛍光灯を2台点灯している。数時間には十分でここだけは読書も出来る明るさになった。
 

 地震後数時間水道が止まったので、1000Lの雨水タンクからこのインバーターで吸い上げポンプを動作確認した。翌日ガソリン発電機を動かそうとしたが携帯タンクのガソリンが一年以上経過し変質してしまっていて動かなかった。反省!
 


太陽電池パネル

地震災害でライフラインが駄目になった際、バッテリーの充電はどうするか? TVのアナログ放送が終了してVHFアンテナが不要になったので撤去したアンテナポールに太陽光電池パネルを設置した。バッテリーはディープサイクルではないので完全放電はさせないほうがよく、パネルは36Wクラスで大体晴天1日で充電できるように考えた。また雨天が続いてあまり充電できない場合を考えバッテリーは新旧計4個にした。

 


雨水タンク


 地震対策というよりは、はじめは畑の雨水利用のため。物置の屋根から取水を考えていたが、どうせならと隣家にご相談したところ、地震など非常の際に心強いのでやってくださいと快くご協力を得ることが出来た。

 画像と同等の1000Lのポリタンクで、金属パイプで補強され、底面は鉄板が貼られ、底部側面にはドレインバルブもついていた。満水時1トンになるので砂利を敷き詰めてコンクリートをうちブロックで高さを合わせた。
 隣家は1階、2階屋根の雨水を左右2本の雨どいパイプで処理していた。一方のパイプを取水枡からそっくり外させてもらい、新たに雨どいからタンク、タンク側面から排水溝側のパイプへと配管した。
 
取水部分は60φの雨どいパイプと50φの塩ビパイプ用のソケット、タンク内の清掃を考え接着はしていない。オーバーフローはタンク側面に穴あけし、同じく塩ビパイプ用のソケットから排水溝のパイプへと接続した。
 

 タンクは半透明で晴天時は植物への散水に不適なほど水温が上昇する、また日光が透過すると藻が発生するので、底面を除く全面を遮光できるシルバーの塩ビシートで覆った。

9/21、台風15号が直撃したが無事に満水となった。


(5) コーナーシェルフ

 こじつけの話になる。12/4 市内全域で地区防災訓練が行われた。今回はアマチュア無線の非常通信ボランティアが自分が参加した地区の参加人員、訓練内容などを市役所の基地局(防災危機管理課)に無線で報告する事となり、ハンディトランシーバーを持って参加した。結果市内各地区から53局もの連絡があり、充実していたようだ。また今年は発災時の通信手段の確保のため、自治体の職員が無線従事者の資格を取得するため国家試験を受験する人数が多かったという。

 トランシーバーや懐中電灯、防災ラジオなど備品をいつでも使える状態、持ち出しやすい場所において置く必要がある。そこで整理するための棚を作成した。


(6) 雨水タンク追加

 物置の屋根から取水する雨水タンクを追加した。以前設置したものと同じ1000L、屋根の面積が小さいが先日3日間降った雨でほぼ満水となった。右画像は暗くて分かりにくいが右が今回のもの。



(7) 停電灯、緊急警報/地震津波警報受信機

 停電灯は常時LEDライトをコンセントに差し込んで充電しておき、災害時など停電した場合に自動的に点灯するもので、各部屋においた。懐中電灯としても使える。右画像はコンセントから抜いたところ(停電同等)
 
 下画像は停電灯のほか、震度おおよそ4以上の揺れがあった場合に自動的に点灯する。こちらは寝室に置いた。

 もうひとつはFM放送を常時受信、通常は音は出ないが緊急警報/地震津波警報(NHKのピロピロという音)を受信すると設定した大音量で警報放送が流れるもの。購入してから近くを震源とする地震は発生していないが、関東、信越などの地震ではしばらくして揺れが来た。また停電しても内臓充電池で約一日は動作するという。
 昨年夏ごろまでは予約して数ヶ月待たされる状態だったが今は解消したようだ。そういえば当時は通常二千円ちょっとで買えるガソリン携行缶が、ひどいのは一万円なんてのもあってここぞとばかりに付け入る業者が多かった。最近こうした受信機はホームセンターでも販売していたが、それは緊急警報のみで地震/津波では動作しないものだった。 

 
 どこにいても聞こえるよう家のほぼ中央の書棚の脇に取り付け、地元のNHK-FMに設定している。


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